【はじめに】

元地方公務員、地元奈良では対面でそして遠方の方にはオンラインでコーチングをしている澤村一誠です。
大学卒業後、平成元年4月からは奈良県警察官として、平成3年11月に奈良県警察官を退職後は、大阪府の八尾市役所の職員として2021年3月まで合計約31年間地方公務員として仕事をしてきました。
八尾市役所退職時の役職は次長兼課長でした。
正確には経済環境部次長兼産業廃棄物指導課長でした。
よりわかりやすくお伝えすると経済環境部の次長でありながら産業廃棄物指導課の課長でもあるということです。

次長に注目すると部長の次の長ということですので経済環境部では職階の上では部長の次の席次になります。
産業廃棄物指導課長に注目すると産業廃棄物指導課の課長、つまり産業廃棄物指導課では職階の上ではトップの席次になります。基本的に、上とか下とかどちらでもいいのですが今回のブログにも関係するので最初に触れておきますね。

【係長としての日々】

今回の本題です。市役所の係長ってどんな役職でどんな仕事をしているかについてお伝えします。
私の承知している限り民間企業で係長という職階はあまりないようです。
一方、都道府県や市役所、町村役場や非営利の商工会議所や農業協同組合、漁業協同組合には係長という職階は存在することが多いようです。
みなさんは係長にどんなイメージをお持ちですか。分解すると係の長ですので係のトップになります。
では、係とは何でしょうか。
漢字に注目すると人(にんべん)と系(ケイ)(つなぐ)とから成り人の「つながり」を意味しています。
長にも注目してみましょう。ここでは「なが」いではなく「おさ」を意味します。
「おさ」は仲間のかしらいうことです。
となると係長は「人のつながりの長(おさ)」ということになります。

私も課長の前は課長補佐、そして課長補佐の前は係長でした。
どんな役割でどんな仕事をしていたのかを振り返ってみますと、はじめて部下を持ち(部下という言葉は嫌いですのでここからはメンバーと呼びます)課長と対話する機会が格段に増えたことを記憶しています。
メンバーや上司からも「澤村係長」と言われ何となく照れ臭かったのを覚えています。
それまでは電話をつないでもらう時も「澤村さんお電話です」だったのが「澤村係長お電話です」になり他の所属からの電話でも「澤村さんはおられますか」だったのが「澤村係長はおられますか」に変わりました。
呼称だけではありません。環境も激変しました。劇的に変わりました。
予算を調製する権限を有したこと。課長から直接仕事の指示が下りてくるようになったこと。課長だけではなく部長と接する機会も格段に増えたこと。判断が困難な事案でもまず係としての結論を出すことが求められたこと。メンバーを持ったことでメンバーに仕事を依頼するというタスクが増えたこと。メンバー間の仕事の割り振りにも留意するようになったこと。メンバーの仕事の進捗状況や体調にも留意するようになったこと。
係長になった4月は人間関係や仕事など慣れないこと、はじめてのことばかりでが毎日がしんどかったのを覚えています。毎年待ち遠しい大型連休が特に待ち遠しかったです。
当時の課長にも「仕事がしんどいです」とこぼしたことがあります。
その時に課長から返って来た言葉にも大変大きな不安を覚えましたが、この話題はまたの機会に稿を改めます。

【係長の役割と仕事(一誠の考え)】

係長になった年度は既述したとおりわからないことばかりで仕事を回すのに必死でした。
当時は係長の役割や職責についてあまり考えることはなかったのですが、改めて「何をする人」なのか考えてみました。
私のイメージでは「実務の要」、「市民の方のクレームや苦情への対応の最後の砦」、「プレイヤーのトップ」、「仕事の裁量が格段に増えるポジション」、「実務の総括者」、「超過勤務(残業)が増える」、「管理職にもの申す」、「メンバーを管理職から守る」といったところでしょうか。
また、グレーゾーンの仕事(担当課の仕事なのかどうか明確に区別できない境界線上の仕事)をするかどうかの第一義的な判断をするポストでもあります。頻度は多くありませんが課長と一緒に議員さんに説明する際に同席するといった機会が生じるのも係長のポストです。議会がらみでは議会資料の作成の総括者にもなります。
他の所属との調整事項では「予算折衝やヒアリング」、「事業計画の折衝やヒアリング」といった仕事も係長としては大きな比重を占める仕事です。

【八尾市人材育成基本方針より】

係長に必要な能力や役割について私が28年間仕事をさせていただいた大阪府八尾市の人材育成基本方針から抜粋しました。
それによりますと・・・・・
最も必要とされる能力は「リーダーシップ」、「人材育成力」、「調整力」、「コミュニケーション能力」、「コーチング」、「交渉力」です。
他には「業務処理能力」、「専門的知識」、「実践的学習能力」、「法務・財政会計知識」などの業務遂行能力など。
また「状況判断力」、「戦略的思考力」、「問題解決力」、「政策立案力」、「洞察力」なども必要とされています。
役割としては「係の方針・計画の決定」、「係の業務進行管理」、「係の人事管理・組織運営」、「課の課題に対する政策・施策提案」、「予算の執行管理」などです。

【まとめ】

私は係長を4年務めましたがしんどかったですがやりがいも感じていました。
月並みですが「しんどいこと」の裏返しは「やりがい」なのかも知れません。
管理職からの依頼や指示を受けてメンバーに相応しい仕事をアサインする。そして進行管理する。
こういったことは係長であるからこそできることであり見方を変えれば、課長などの管理職になる訓練をしていると言っていいでしょう。
係長のポストでの苦労や経験がその後の市役所人生の糧になります。
無責任な言い方ですが少しくらい失敗してもミスをしても課長補佐、課長、部長がフォローしてくれます。
とにかく前に、前に。課題を解決する第一歩を踏み出してください。
応援しています。

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