地方公務員の悩み解消コーチ
元地方公務員、地元奈良では対面でそして遠方の方にはオンラインでコーチングをしている澤村一誠です。
大学卒業後、平成元年4月からは奈良県警察官として、平成3年11月に奈良県警察官を退職後は、大阪府の八尾市役所の職員として2021年3月まで合計約31年間地方公務員として仕事をしてきました。その間、様々な壁にぶつかって悩んで来ました。(もちろん何かをやり遂げた達成感や充実感を味わったことも数知れません)
悩み多き地方公務員
前回いろいろなことで悩んで地方公務員生活を送り、嫁さんに悩みを聴いてもらって悩みを解消したことをお伝えしました。正確には悩みが解消した訳ではなく「聴いてもらって気が楽になった」という言い方が正しいでしょう。悩みを伝える側はほとんどの場合、聴いてもらって悩みを解消するとは思っていません。聴いてもらって解消するような悩みなら「もうこの世の末」といったレベルの悩みではありません。深刻な悩み事とは言えませんね。
でも、周りからは取るに足らないものであっても悩んでいる本人にとっては目の前に積まれた黒い山のようなもので見上げて途方に暮れるといった感覚になります。私は警察官と市役所の職員の仕事しか知りませんが私の周りで悩んでいる地方公務員は多かったです。
地方公務員の悩みは人間関係の悩みと・・・
私も含めてどんなことで悩んでいたかお伝えしますね。
結局のところほとんどが人間関係の悩みと公務員であるがゆえの何かしら重苦しい感覚、常に公務員であり(当たり前ですが)良くも悪くも注目されており聖人君子のように振舞わなければならないという呪縛のようなもの(少なくとも私はそのように感じていました)が悩みの根源でした。
例えば、人間関係の悩みではこういったものです。例えば地方公務員の給与制度は年功序列制度です。年功序列制度とは、年齢や勤続年数に応じて役職・賃金を上昇させる人事制度のことです。反対は成果型主義です。どちらもメリット、デメリット両方ありますが私は若い頃、この年功序列制度で悩んでいたことがあります。
もう20年以上も前のことですが私は課の庶務担当をしていました。庶務担当は必ず課に1人いて書類の受付や文書処理の仕事が主です。課宛てに来る書類は最初に開封し目を通すことになります。当然、職員の給与明細も最初に目にします。(今は職員一人一人にデータで配信することが多くなっているようです)で、で、で、で目にした途端、驚天動地、衝撃的、ショッキング、センセーショナルなことに遭遇しました。なんと、なんと、なんと中年のまったり、ゆったりと仕事をしているおばはん(口汚い言葉をお許しください)の給料が私の2倍以上なのです。誰がどうみても100人が100人とも俺の方が仕事をしているのは間違いない。なのに、なのに、なのに、春なのに(すみません)この差は何なんだ。これが年功序列制度なのですが青臭い私はこのことがきっかけで仕事に対するモチベーションが下がり悩んだことを覚えています。制度上、給与に差がつくのはしょうがない。(と自分に言い聞かせていました)このときの悩みは仕事に対するモチベーション上がらず、むしろ下がりまくって、やる気を失っており、この状態をなんとかしなければ市民の方に申し訳ないということでの悩みでした。
この悩みを解消したのは・・・・・
このときの前後のことは今でも本当によく覚えています。信頼出来る先輩職員に給与制度の愚痴からおばはん(すみません。今日はおばはんで最後まで通させていただきます)への悪口までトイレで、エレベーターで、車の中で、ロッカーで思い切り吐き出させていただきました。この時はおばはんにも腹が立って腹が立って。まったりとですが仕事は手を抜くことなくサボることなくやるおばはんでしたので冷静に考えておばはんは何も悪くありません。ここまでくるともう「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という心境だったんでしょう。
この時の先輩職員は本当に真剣にじっくり話を聴いてくれました。このときは私もまだコーチングの世界に足を踏み入れていませんでしたので「聴く」というスキルは知りませんでしたが先輩は「うん、うん、澤村のいうとおりやな。お前の気持ちはよくわかる。年功序列って納得できへん制度やな。お前はその問題意識を持ち続けて職階が上がれば制度にメスを入れてくれたらええやん」と私の言うことを否定することなく聴いてくれました。
今から振り返ると先輩はコーチングの「認める」「聴く」というスキルで私のしょうもない話を聴いてくれていたんだと思います。Y先輩ありがとうございました。
この話には後日談があります。実は、ここで登場した「おばはん」ともう一度同じ職場になったことがあります。私が係長になった時ですから庶務で先輩に愚痴った時から10年ほど後のことです。この時は私は庶務ではありませんでしたが庶務担当の係長でした。で、たまたま庶務担当が席を外していたため私が給与明細を配ることになり、また例の「おばはん」、いや「おばさん」(一応私も係長になっていましたので少しマイルドになりました)の給与明細を目にしてまたも怒りが・・・。私との給与の差は縮小していましたが依然として開きがありました。このとき「おばさん」は定年間際だったと思います。私は係長とは言え一応役付きの職員です。それでも結構差があったのを覚えています。この時の私は愚痴るでもなく、モチベーションを下げるのでもなくこみ上げる怒りを抑えながら「制度を変えなければ。後に続く若い職員のモチベーションが下がってしまう」と誓ったことを覚えています。
まとめ
この場で給与制度の是非を論じるつもりはありませんが年月の経過とともに悩みの種類も変わるし消えることもあることを実感しました。また、スキルを習得している(スキルというと軽い感じがしますが)聴き手に悩みをきいてもらうことは非常に贅沢な時間なんだということ。このスキルを習得している、言い方を変えれば「聴く」プロフェッショナルがコーチなんだということ。そして「聴く」プロフェッショナルとの対話がコーチングなんだと言うこと。聴くプロに聴いてもらって質問するプロに質問してもらえば悩みが悩みでなくなり、そして夢が達成すべき目標になり、現実のものになるということを実感している澤村一誠の独り言でした。
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