【はじめに】

元地方公務員、地元奈良では対面でそして遠方の方にはオンラインでコーチングをしている澤村一誠です。
大学卒業後、平成元年4月からは奈良県警察官として、平成3年11月に奈良県警察官を退職後は、大阪府の八尾市役所の職員として2021年3月まで合計約31年間地方公務員として仕事をしてきました。
ここ4回のブログでは、私自身の経験も含めて面接の戦略、特に志望動機のつくり方についてお伝えしてきました。
縁もゆかりもない、駅に降りたことさえない自治体を志望する場合、生まれて育った良いところも悪いところもすべて知っている自治体を志望する場合を分けてお伝えしてきました。
私が職員採用試験を受験した当時(平成4年)頃は、面接もありましたが、どちらかというと1次試験で実施される筆記試験が重視され1次試験を突破すると2次試験で不合格になることは少なく、ほぼ最終合格すると言われていました。

【VUCAの時代】

時代の変化もあり、近年の採用試験では面接を重視する傾向にあります。
少ないところでも面接は2回、多いところでは3回から4回面接をする自治体もあります。
面接も個人面接のみから集団面接、集団討論など多様なものに変わってきています。
言い方は適切ではありませんが“圧迫面接”といったメンタルの強さを試すための質問もあると聞いたことがあります。
自治体によっては最初に全員と面接をして合格者を絞り、その後筆記試験というところもあります。

背景には社会経済情勢の変化や、それらの変化にともなう地方公務員の仕事や働き方の変化があります。
コロナ禍に代表されるように先行きが不透明な見通せない複雑な時代になって来ています。

なるほどVUCAの時代と言われるのももっともですね。
VUCAの時代とは一言で言うと「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味します。
元々は、1990年代後半に軍事用語として発生した言葉ですが2010年代に入ると、変化が激しく先行き不透明な社会情勢を意味する言葉としてビジネス界でも使われるようになりました。
VUCAは4つの単語の頭文字をとった造語です。

V(VOLATILITY:変動性)
U(UNCERTAINY:不確実性)
C(COMPLEXITY:複雑性)
A(AMBIGUITY:曖昧性)

VUCAの時代には想定外の出来事が次々と起こります。
経済やビジネス、個人のキャリアに至るまで、ありとあらゆるものが複雑さを増し、将来の予測が困難な状態にあります。
新型コロナウイルスの流行や、地球温暖化に伴う気候変動や異常気象、ゲリラ豪雨といった災害など予測が困難な事象が次々と起こっています。
働き方に目を向けると、従来は当然だった終身雇用や年功序列といった制度もなくなりつつあり、人材の流動性も高まっており、今後ますますこの動きは強まるでしょう。

こういった時代背景のもと地方公務員に必要な能力も当然変わってきます。
これまではどちらかというと正確に積み上げる、時間内に右から左へコツコツと単調な作業を繰り返す、市民からの申請を受理して間違いがないか確認するといった、いわゆるルーティンの仕事が多く、従ってそういった仕事に必要な能力が必要でした。(時代が変わったとは言えこのような能力も依然として必要です。ただしAIの登場等によりこういった能力の比重は低下するでしょう)

これからはこれらの能力に加えて、自らの頭で考える能力や先を見通す力、外的な要因に柔軟に対応する能力、幅広く情報を収集する能力、人脈構築力、不十分な情報でも見込みをつける能力、判断力が必要になってくるでしょう。

【VUCAの時代の採用試験での質問とは?】

私が面接試験を受験したときは、まず、志望動機、採用されたら取り組みたい仕事、なりたい職員像、、併願状況、本命の自治体、学生時代に取り組んだこと、前職がある場合は退職した理由といったことが鉄板ネタの質問でした。
こういった質問は、時代が変わったとは言えほぼ質問されると考えて間違いありません。

では、VUCAの時代を踏まえてどのような質問が考えられるでしょうか?
苦労したことや辛かった経験、失敗談やそそういった経験をどのように乗り越えたのか。乗り越えた結果、どのようなものを手に入れたのか。そういった経験がどのような糧になっているのか。仕事で同じような状況に遭遇したらどのように対応するのかといった質問が予想されます。

また、近年、仕事の複雑化や迅速さの要請、ゲリラ豪雨などの仕事量が増加する一方、職員数が減少することによる時間外労働時間の増加、派遣職員や会計年度任用職員などの職員の多様化による人間関係の複雑化といった職場の状況があります。権利意識の高まりによる市民要望の複雑化や多様化、クレームや苦情のの先鋭化、モンスターペアレントの存在といった背景もあります。

こういった状況や事情によりメンタルが不調になったりメンタルの不調により休職したりといった職員が増える傾向にあるためストレス耐性を確認する質問も想定されるでしょう。
ストレスの解消法や気分転換の方法を聞かれたりといったことや面接官が執拗なクレームを言う市民役を演じて対応を評価するといった形態です。
私の知り合いのお嬢さんは市役所の最終面接で特技を聞かれて「AKBの歌を歌って踊ることです」と答えたら、その場で歌って踊らされたと言っていました。

【まとめ】

VUCAの時代、先が見通せない、何が起こるかわからない、将来の予測が困難だということをお伝えしました。
面接もまさにVUCAの時代に相応しい面接になることが予想されます。
これまで聞かれたオーソドックスな質問に加えて何を質問されるかわからない。面接室に入ったら何が起こるかわからない。予測困難な状況になることも想定して面接に臨むことが大切です。
とは言えこれまでの面接の基本やオーソドックスな質問に対する答えも想定し何度もシュミレーションすることも忘れずにしてください。「備えあれば憂いなし」、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。

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